虹色青春物語。
【未空side】
ここまでくればもう大丈夫…だよね?
呼吸を整えるため、歩き出す。
…奈保と透、なんで一緒にいたのかな…
そんなことを考えていると、
「立切さん?」
突然私の名前が呼ばれた。
「え?」
驚いて振り返ると、同じクラスの水草誠がいた。
「水草くん?」
「うん。こんなところで偶然だねー。」
水草くんはクラスではあまり目立たないタイプで、学校でもそんなに話したことがないなら、外で会うのは新鮮だ。
「そうだねー。」
なんで私に話しかけてきたんだろう?
「あの…大丈夫?」
「…ん?」
突然の質問に、聞き返してしまった。
「え、なんでなんで?」
「いやだって…泣いてる?から…」