虹色青春物語。
【未空side】
「…って訳で、今また頭の中ぐちゃぐちゃなんだよね…」
「そっか…」
話しかけられた時はびっくりしたけど、場所を移動している間に落ち着いて、私は全てを彼に話した。
水草くんはやっぱり相槌を打つだけで、ちゃんと聞いてくれた。
この人にだったらなんでも話せるな…不思議な雰囲気の人だ、水草くんは。
水草くんがゆっくりと口を開く。
「…俺が思ったのは…好きか、嫌いか、うやむやにしない方がいいんじゃないかってこと。2人に変に期待させちゃうのは…ね。別に立切さんを責めてる訳じゃないんだ。ハッキリさせられない気持ちもわかるから…」
「うん…」
水草くんは、自分が思ったことを素直に言ってくれる。アドバイスをしてあげよう、とかそんな気持ちじゃなく。
私のことを気遣いながら、ただ、思ったことを言ってくれる。
だから話しやすいのかもしれないな。
水草くんは続ける。
「立切さんがハッキリできないのってさ、桐上くんの浮気のせいでしょ?」
「うん…」
「じゃあさ、」
次の言葉に、私は答えられなかった。