虹色青春物語。


その時、





「おい、何してんだよ奈保!!」





「!こ、晃希…」





私たちの後ろから、晃希が現れた。





その顔は信じられないものをみた、という顔をしていた。





私たちの方に急いで向かってくると、奈保の右手首をつかみ、下ろした。





奈保は大人しく従い、晃希から逃げるように目を伏せた。





「…奈保、ちょっと頭冷やせ。」





晃希は奈保にそう言うと、私の腕を掴んで歩きだした。





「えっ!?どこ行くの晃希?」





「いーから。」





「…」





いつもより真面目な声の晃希に、私は反論できなかった。





< 81 / 106 >

この作品をシェア

pagetop