虹色青春物語。
その時、
「おい、何してんだよ奈保!!」
「!こ、晃希…」
私たちの後ろから、晃希が現れた。
その顔は信じられないものをみた、という顔をしていた。
私たちの方に急いで向かってくると、奈保の右手首をつかみ、下ろした。
奈保は大人しく従い、晃希から逃げるように目を伏せた。
「…奈保、ちょっと頭冷やせ。」
晃希は奈保にそう言うと、私の腕を掴んで歩きだした。
「えっ!?どこ行くの晃希?」
「いーから。」
「…」
いつもより真面目な声の晃希に、私は反論できなかった。