約束の丘
さて時間も適当に過ぎてバイクも綺麗になったけど…お客さんの来る時間になった。

一周忌なんて身内だけで、しんみりやりゃいいとに、何故か知り合いや近所の人も来るらしい

「瑞穂ちゃん、こんにちは」

声をかけて来たのは兄貴が生前、今は、あたしが世話になってるバイクショップ『全開商店』のクマさんだった。 

「相変わらず綺麗にしとるねFX…」

「当たり前やん。兄貴の魂載せとぉっちゃもん!汚くしとったら兄貴に悪いけん…ところでクマさん兄貴の一周忌で来たと?」

「まぁね…ただお母さんには、いい顔されんみたいやけど」

「仕方ないよ。兄貴の関係者やもん…お母さん兄貴の事忘れたがりようみたいやけん」

「お母さんの気持ち解らんでも無いよ…自分のお腹痛めて産んだ子供が死んで、息子の関係者が身近でウロウロしとったら…」

「そうかも知れんけどクマさんは、あたしにとっても大事な人やけん!まだまだ関わってもらうよ」

まぁそんな感じで話し込んでたら、ぼちぼちいい頃合いになってきた。
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