約束の丘
待つ事30分…

時の流れは残酷だ。

嬉しい時間は一瞬に終わらせるくせに嫌な時間は果てしなく長い

「あ、栄司達帰って来たよ」

あたしは出来るだけ明るく振る舞った。

スタートにテンションを合わせる為に

「みんな…今日は、ご苦労さん…」

栄司は気まずそうに言った。

その一言が全てを物語っていた。

豪雨の為レース中止

これがあたし達のデビュー戦…

何の結果も残せずサーキットを後にするしか無かった。
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