約束の丘
「とにかくお母さんにとってバイクってのはアンタや純也を親の気持ち解らんまんま地獄に運ぶ乗り物やけん…許す訳、認める訳にはイカんと!」

あたしがレースに入れ込んでる事を心配しよるんやろうけど…

「あたしは死なんけん…校長にも約束した。絶対卒業するって…それでもつまらんと?」

「そんな口先だけの約束信じてアンタをみすみす死なせたら…残されたもんの気持ちやらアンタは解っとらんけんね…」

「そりゃそうだけど…あたしは死ぬためにレースするんやない…生きてみんなと喜びたいんよ」

「アンタの理屈は、そうかもしれんけどお母さんの目の前からバイクを消して!あんな乗り物のせいでこっちだけ悲しい思いをするやらまっぴら!」

全く平行線のまま。お母さんと仲直りか…こりゃ無理だな。
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