約束の丘
「明日出発するのね…栄司に聞いたわ」

声の主は西畑 南…

あたしは、コイツを恨んでいた。

兄貴に助けてもらったくせして…兄貴をみすみす死なせた張本人…

「瑞穂さん…あなたは私の事許せないでしょうけど…」

あたしの顔色伺いの説教か…

だけど…

しばらく間をおいて

「あたしは…アンタの事…やっぱり好きには、なれん…でもアンタのおかげで兄貴の夢と向き合えたのかもしれん…やけんアンタの事いつまでも恨みがましく思うのやめた」

何か言いたかったはずなんだろうけど…あたしの一言でヤツは完全に言葉を失った。
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