約束の丘
「瑞穂、大丈夫?」

心配そうなノロマがあたしを担ぐ。

反対側から冷蔵庫が肩を貸し2人がかりで奥へ運ぶ。

「カッパ、割れたカウルはテープで補強、ちぎれたトコひっぺがえしちまえ!」

栄司の声とともにレース復帰に向け絶望的とも言える修復作業が始まった。

『奇跡的とも言える走りでレースを盛り上げたteam Queenbee…クラッシュぐらいじゃ諦めません!懸命の作業でコース復帰を目指してる』

アナウンサーも期待してるんだな…最後まであたし達がレースするのを…

「栄司クン…瑞穂ちゃんにこれ以上無理させるのは…」

まだレース続行に反対のクマさんが抗議すると

「瑞穂には時間が無ぇ…アイツにとっちゃこのメンバーでレースするのに意味があるっタイ!やけん絶対に俺達が諦める訳にゃイカん」

栄司にそこまで言われてクマさんも折れた。
< 470 / 497 >

この作品をシェア

pagetop