《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
桃と顔見知りなのが気になったけど。
以前、この会社の秘書だった素性がはっきりして、直ぐに俺の心は晴れた。


俺は桃に近寄る男を徹底的に敵対しちゃって、心の狭い男だな。



俺は栗原さんとエレベーターに乗り込む。



「桜瀬さん、まだ、働いていたんだ…受付の中ではいちばん可愛くて、直ぐに嫁に行きそうな気してたけど」


「栗原さん、桜瀬さんと仲良かったんですか?」


「別に…でも、エレベーターが故障して二人で閉じ込められたコトはあった」


「はい?」
俺の瞳は見開き、栗原さんに慌てて訊き返した。


「あの時、彼女…俺に抱きついて来て、30分くらい余計に閉じ込められていたら、理性飛んでたかもしれない」


俺は激怒して、栗原さんの胸倉を掴んでいた。


「君…桜瀬さん、好きなの?」


「好きって言うか…桃は俺の妻です!!」




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