《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
「他人の君に…俺は何を言ってるんだ?たくっ」


ようやく、熱々の煮込みハンバーグがテーブルに並んだ。


「にんじんのグラッセ付きか…」
濱部社長の眉が歪む。


「にんじん、嫌いですか?」



「にんじんだけはどうしても好きになれない」



「私…にんじんのグラッセ、大好きです」


「君にあげる」



私はにんじんのグラッセを頂いた。


この煮込みハンバーグを食べるのは…
誠一郎さんに別れを告げられたあの日以来だ。




「熱いけど…美味い」


二人でこうして、デートの度に食べに来た日々を思い出す。

誠一郎さんが私の初めての交際相手。


和也が二人目で、本当に私は恋愛スキルを習得出来ないまま、結婚した。





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