《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
「大変ですね…」
「早祐は俺に似て身体が弱いらしい。奈央夫人と同じで美苑も子供が生まれても、俺の秘書として頑張ると言っていたが…出産も難産で大変だった。生まれてからも、何かと病院に世話になるコトが多くて、でも、必死に美苑は両立しようと努めた。濱部社長は俺の努力を認めてくれたが…会社に利益は齎すコトは出来なかった。失敗は成功の元と言うけど。今のご時勢での失敗は会社を倒産に追い込みかもしれない。株価は安定してるけど、計上利益は赤字…ソーマも大変だ」
「相馬社長…!?」
新入社員の俺から見れば、相馬社長は雲の上の人。
いつも、最上階の社長室で仕事をして、父上くらいの歳の幹部たちを従えて…
「育児と仕事を両立をしようと必死に頑張る美苑を見てると妙に辛くなって、クビを切った。それから何だか…上手くいかなくなって俺たちはすれ違ってる。新婚の緑川には…気の悪くなる話だな」
「別に」
「ゴメン…緑川」
相馬社長はペットボトルの中の水を全部飲み干した。
そして、ソファーに転がった。
「早祐は俺に似て身体が弱いらしい。奈央夫人と同じで美苑も子供が生まれても、俺の秘書として頑張ると言っていたが…出産も難産で大変だった。生まれてからも、何かと病院に世話になるコトが多くて、でも、必死に美苑は両立しようと努めた。濱部社長は俺の努力を認めてくれたが…会社に利益は齎すコトは出来なかった。失敗は成功の元と言うけど。今のご時勢での失敗は会社を倒産に追い込みかもしれない。株価は安定してるけど、計上利益は赤字…ソーマも大変だ」
「相馬社長…!?」
新入社員の俺から見れば、相馬社長は雲の上の人。
いつも、最上階の社長室で仕事をして、父上くらいの歳の幹部たちを従えて…
「育児と仕事を両立をしようと必死に頑張る美苑を見てると妙に辛くなって、クビを切った。それから何だか…上手くいかなくなって俺たちはすれ違ってる。新婚の緑川には…気の悪くなる話だな」
「別に」
「ゴメン…緑川」
相馬社長はペットボトルの中の水を全部飲み干した。
そして、ソファーに転がった。