《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
「そうだ。桃…今度、大学時代の友人の結婚披露宴に出席するんだろっ?」



「えっ!?」


「昨日、伝言するの忘れていた…。名前は確か、野中さんだったっけ?桃がゴミ出ししてる間に電話が掛かって来た…喜んで出席しますって言ったけどよかった?」


「え、あ…勝手に返事し・・・」



「あら、そうなの?」
私の隣に居たお義母さんが瞳を輝かせた。


「氷見流緑川派の次期家元の妻として相応しい着物を選ばないとね」


「着、着物っですか!?」


「…全く着ないのは少し問題あるわ。こんな時くらい、着て貰わないと」


「宝の持ち腐れになるもんな」


「桃さん、あなたに内緒で仕立てた着物があるの。ちょっと来てっ」


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