《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
私はお義母さんに離れから、連れ出された。


研究会の場も、針の筵に近かったけど。


お義母さんにも気を遣うばかり。
嫁と姑、実の母親と同じように上手く、打ち解けるコトはできなかった。




「どう、綺麗でしょ?」


ピンク系の着物が多い中。

淡い紫色の色に裾と袖には同系の咲き誇った藤の花の柄。
肌に馴染む上質の生地が高級感を漂わせる。
普通のサラリーマン家庭で育った私には、和也の世界は今も、別の世界だった。



「紫は高貴な色だから…着こなすのは難しいけど。桃さんにはとっても似合ってるわ」



お義母さんは私と和也の結婚を誰よりも祝福。


私を実の娘みたいに可愛がってくれていた。


でも、所詮は赤の他人。
私自身はお義母さんと本音で語るコトはできなかった。
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