《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
「株主総会ですか…」
「座っていい?」
「はい」
私はベンチの端に座り直す。
「さすがは華道の次期家元の奥様だ。着物が凄く、似合っている。それに、その口許の口紅の色はウチの春の新色。嬉しいよ」
「・・・」
誠一郎さんに冷たくされて、陰鬱になっていた私を励ますのが、誠一郎さんに似た男だなんて、奇妙な心地だった。
「この間、随分前になるけど…本当にすまなかった」
忘れかけていたキスを思い出し、私の頬は急激に紅くなった。
「座っていい?」
「はい」
私はベンチの端に座り直す。
「さすがは華道の次期家元の奥様だ。着物が凄く、似合っている。それに、その口許の口紅の色はウチの春の新色。嬉しいよ」
「・・・」
誠一郎さんに冷たくされて、陰鬱になっていた私を励ますのが、誠一郎さんに似た男だなんて、奇妙な心地だった。
「この間、随分前になるけど…本当にすまなかった」
忘れかけていたキスを思い出し、私の頬は急激に紅くなった。