君が教えてくれたこと
「どしたの?」
俺は走ったせいで乱れた呼吸を戻そうとひとつ深呼吸をした。
「…べ、つに。」
動揺が分かりやすいような話し方だったから、佑樹は何かあったとすぐ察した。
「ほ〜、さくちゃんは嘘をつくのですか」
「だから、さくちゃんってのやめろ。女みたいで嫌だ」
俺は話題を変えようと、睨みながら名前のことを口に出した。
「女っぽいね〜…、別に漢字は男っぽいからいいんじゃね?」
ヘラっと軽い考えが出来るコイツが憎たらしい。