君が教えてくれたこと
「んで?なんでそんな血相変えて飛び込んできたんだよ」
う…こいつまだそのテーマを引きずるか。
「新谷が…」
名前を出したが、やっぱり言い出せなくてどもる。
「類ちゃん!?あの美人さんがどうしたの!?」
「声がでけぇんだよっ!!」
誰もいないとはいえ、そんな響くような大声で名前を口に出したもんなら、慌てるに決まってる。
俺は佑樹の頭を平手打ちしながら怒鳴った。
佑樹はというと、頭を押さえて必死に痛みを堪えていた。
「いっつ〜…!さくちゃんヒドイ〜!」