シンデレラの憂鬱
「鈴羅が嫌だったら、嫌って言っていいからね?」
私の気持ちを悟って、お兄ちゃんが話しかけてくれる。
でも、歌で誰かを救うことが出来るなら、私は頑張ってみたい。
お兄ちゃんのように、
色んな人から好かれる人にはなれないかもしれない。
でも、私の存在がみんな役に立てるなら、逃げ出さずに、最後まで頑張りたい!!
『私、やりたいです!!お兄ちゃんや皆さんのようにはなれないけど、歌で誰かを救えるような人になりたい!!』
私は思いっきり頭を下げる。
中途半端な気持ちで、やりたくない……!!
すると頭の上に誰かの手が置かれた。
その手の主は、西崎さん。
「島崎鈴羅。合格だ。」
『ありがとうございます……!!』
不安な気持ちはあるけれど、
嬉しくって目から涙があふれでていた。