シンデレラの憂鬱

「伊集院 隼人、18歳。」
「ごめんね～？隼人は基本、無口だから。」


伊織君がそう言うように、伊集院さんは私を近付かせないオーラを出していて、喋りにくい。


『最後は私かな？えっと……島崎鈴羅です。あっ、15歳の高校1年生です。よろしくお願いします。』


私の自己紹介が終わったと同時に、涼くんが不思議そうな顔をする。


「鈴羅って珍しい名前だね？シンデレラみたい。」
『シンデレラ？？』
「そうだよ。シンデレラの本当の名前は、レラって言うんだよ。」


確かお父さんも涼くんと同じようなことを言ってたっけ？

シンデレラのような、何事にも折れることのない、美しくて逞しい心を持ったプリンセスになりますように……と思い、込めた名前だったような気がする。