恋をするということ
はじまり

守るということ




―――ピピピピピッ


いつもの携帯のアラームで目を覚ます。

6時30分。
いつも通りの時間にベッドから降り、
いつも通りに身支度を整えて、
いつも通りに朝食をとる。

7時50分。
いつも通りに家を出る。
専業主婦のお母さんの
「いってらっしゃい」という声と、
私の大好きな笑顔に見送られて。


―――ガチャ


ただいつも通りではないことは、
今日は翠ちゃんと同時に
家を出たということ。

家がお隣の翠ちゃんこと河下翠斗くんは
私の幼なじみで、
お母さん同士も幼なじみだ。
彼女たちは自分たちの子供同士を
結婚させることを望んでいて
お隣に住もうと決めたんだとか。

そんな期待を裏切るかのような
今の私たちの関係。

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