恋をするということ
俺はつくづく最低だと思う。
こんなことでしか
大事な人を守れないなんて。
こんなやり方でしか
大切な妃奈乃を守れないなんて………。
ーーー………
「……龍星くん?聞いてる?」
4年前のできごとを思い返していたら、
いつのまにか昼休みになっていた。
今日も俺に話しかけてくるやつら。
無理やり一緒に
お弁当を食べようとしてくるやつら。
そんなのお構い無しに、
俺の目は自然に妃奈乃を追っている。
麗華とかいう、中学からの友達と
笑顔で話ながらお弁当を食べる妃奈乃。
今日も笑ってる。
そうだ。
俺なんか嫌いになってもいいから、
笑っていてくれ。
俺は妃奈乃の笑顔を近くで見られるなら
それでいいんだ。