恋をするということ
ーーー龍星SIDE
ーーガラッ
本当は、この音で起きた。
だけど少しの好奇心で、
あいつへの俺の放課後の時間を
奪った仕返しとして
脅かしてやろうと寝たふりをしていた。
午後の授業の間の休み時間。
俺はいい加減女にうんざりして
1人で屋上へ来ていた。
すると、背後から
誰かの足音が聞こえた。
またいつものやつらか。
俺はそう思い気だるそうに振り向いた。
「何、その顔。」
驚いた。
だって、妃奈乃といつも
一緒にいるやつが
そこに立っていたんだから。
「あ、今
『妃奈乃といつも一緒にいるやつ』
とか思ったでしょ。」
見事に考えを見破られ、
目が点になる俺。