夜に生まれた天使
「おじゃましまーす♪」
「んー」
雄弥は、一人で住んでいる。複雑な関係は、ないけど、親は、仕事の事情で一時離れて暮らすらしい。
「はーー、雄弥ん家だぁ~」
「当たり前だろ」
呆れたよーに笑った雄弥。
床にごろんと横になったあたしを優しく起こして、頭を支えて触れるだけのキスをする。
「ふふっ」
雄弥が笑った。
「ん?なに?」
「べーつに!……あ、昨日借りたDVD見ようぜー」
「うん!なに借りたの?」
あたしの問いかけに無視してDVDのセットを始める。
無言。でも雄弥となら辛くない。
「…………あ゛ーー!これあたしが見たかったやつ~ぅ」
「そーだっけ?…なんか借りてきた(笑)」
ありがとうのちゅーを雄弥のほっぺにしてあげた。
「DVD観れなくしてやるぞ」
耳元で囁かれて、一気に赤くなった。