自分の中で
香奈は面接の話しを聞きたがった。
義男はあまり話したくなかった。
「まあいつもの通りだよ。」
義男はぶっきらぼうに答えた。
「いつもと一緒だといっても、今回は違うかもしれないじゃないの。」
香奈の勘は正しかった。それが余計に義男を不機嫌にしたが。
しかし義男にはそんなことよりやらなくてはいけない事があった。
「そうだそうだ。香奈確か、ほらあの話し。」
「何……？」
義男は香奈が病院での仕事のシフトで悩んでいた事を思い出していた。「ほら夜勤専用のシフト。誰かがやらないといけないならやりなよ。」
義男は香奈にどうしても昼間にいてほしくなかった。
会社から電話があって香奈が電話に出るなんて想像するだけで震えが止まらない感じだ。
「どうして。」
「誰かがやらないといけないなら香奈がやれば。同僚達も助かるし、恩も売れるし。それに夜だったら人間少ないから人間関係悩まなくてすむじゃん。」
香奈は喜んでいた。
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表紙・目次

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