曖昧ショコラ【短】
だから、早くあの夜の事を忘れ、篠原の艶めかしい悪戯に慣れなくてはいけない。


これは、彼の担当者として必要に迫られている事なのだ。


篠原の担当者としてやっていくのなら、こんな事で振り回されてはいられない。


暴君な彼を言い包め、そしてたくさんの読者が待ち侘びている新作を書かせるくらいの気持ちが必要なのだ。


フゥと息を吐いて、コーヒーメーカーをセットする。


時計が指す時刻は、21時前。


夕食後から書斎に閉じこもったままの篠原が、もうすぐコーヒーを欲しがるハズ。


すっかり落ち着いたあたしは、コーヒーを持って書斎に行った。


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