曖昧ショコラ【短】
心当たりは、ある。
あの日のあたしの言葉に怒っているのだとしたら、本当はあたしの方が怒りたいから不本意ではあるけど、篠原の不自然な態度自体には納得は出来る。
小説家にとっては自分の子供とも言われるような作品を、担当者(アタシ)は『嫌い』だと貶(ケナ)してしまったのだ。
もちろん、作品自体を本気で貶した訳じゃない。
むしろ、ヒロインのモデルが自分(アタシ)では無かったのなら、最初に口にした『素晴らしい』の言葉の後に次々と感想が飛び出しただろう。
だけど…
あたしは胸の中で燻る蟠(ワダカマ)りを、篠原にぶつけてしまったのだ。
あの日のあたしの言葉に怒っているのだとしたら、本当はあたしの方が怒りたいから不本意ではあるけど、篠原の不自然な態度自体には納得は出来る。
小説家にとっては自分の子供とも言われるような作品を、担当者(アタシ)は『嫌い』だと貶(ケナ)してしまったのだ。
もちろん、作品自体を本気で貶した訳じゃない。
むしろ、ヒロインのモデルが自分(アタシ)では無かったのなら、最初に口にした『素晴らしい』の言葉の後に次々と感想が飛び出しただろう。
だけど…
あたしは胸の中で燻る蟠(ワダカマ)りを、篠原にぶつけてしまったのだ。