ボクの震動、キミの鳴動。





「・・・・・・ねぇ、皆さん。 オレ、だいぶ前から目開いてるんですけど」






ベッドの方から声がした。





ゆっくり目をやると、瞬と目が合った。





ビックリしすぎてスプーンを落としてしまった。





そんなオレの横で、千夏が驚きのあまり一気飲みしたプリンをリバースしそうになり両手で口を押さえつけていた。





「千夏!!」





「イヤイヤ、ソコ、オレでしょ」





「そうだった!! 瞬!!」





千夏をさておき瞬の手を握る。





「おはよう、瞬くん」





オレの後ろからサヤ子さんが瞬に笑顔を向ける。






「おはよう、サヤちゃん」





瞬が、前と変わらぬ笑顔で答えた。






「オイ、安田」





青山が笑いながら瞬の兄ちゃんの背中を軽く叩く。






瞬の兄ちゃんは、涙を見せるまいと目頭を押さえつけていた。






「ごめんね、兄ちゃん」





「・・・・・うん」






瞬の言葉に、堪えられなくなったのか、瞬の兄ちゃんは壁の方を向いてしまった。





「・・・・・・ねぇ、なんでオレの手を握っているのが野郎なの??」





瞬が不満そうにオレを見た。





「イイだろうがよ、オレでも」






「全然良くない。 かわいい女の子が良い」






「あ、アタシの出番じゃん」






扉の前に、見知らぬ美女が立っていた。
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