ボクの震動、キミの鳴動。
「つーか、彼氏いるくせに瞬に色目使うなよ」
瞬の兄ちゃんが無理矢理瞬と加奈子の妹の間に割って入る。
「安田、その話やめとけ」
青山が瞬の兄ちゃんを制止すると、サヤ子さんも青山の隣で小さく首を振っていた。
「・・・・・あ、あー。」
瞬の兄ちゃんが何かを思い出したかの様に口篭った。
「別れたし!! 気遣われんのムカつくし!!」
加奈子の妹が、八つ当たりのように瞬の兄ちゃんにどついた。
「振られたからって、オレの弟に手出さないで頂きたい」
たいして痛くもなかったくせに、瞬の兄ちゃんがどつかれた腕をわざとらしく擦っては加奈子の妹に白い目を向けた。
「だから、やめとけって。 安田」
青山がもう一度制止しようとすれば
「気遣われるのムカつくって言ってるっしょ!!」
今度は青山に睨みを効かす加奈子の妹。
そして苦笑いのサヤ子さん。
千夏は訳が分からずオロオロ。
オレはただ呆気に取られていて。
でも、瞬はちょっと楽しそうに様子を眺めていた。