ボクの震動、キミの鳴動。
「つーか、振られてないから!! ワタシが振ったの!!」
加奈子の妹は、また怒りの矛先を瞬の兄ちゃんに戻した。
「はいはい。 あんま気にすんなって。 あの年頃って年上に興味がある時期なんだって。 でも、やっぱタメの女の子の方が生徒同士話も弾むし、しょうがないって」
瞬の兄ちゃんの話から推測する限り・・・・
「優香ちゃん、生徒さんと付き合ってたの!??」
千夏がビックリしすぎて、オレが敢て口に出さなかった事を言った。
「悪い!??」
加奈子の妹、千夏にまで当たり散らす始末。
「ぜ・・・全然!!」
千夏は、年下の加奈子の妹に凄まれて両手を振りながらちょっとだけ後ずさった。
・・・・・・何ビビってんだ、千夏。
「・・・・・イイなぁ。 オレ、また後5年恋愛出来なくなっちゃったしなー。 うらやまし」
オレらの様子をほほえましく見ていた瞬がポツリ、自分に言い聞かす様に呟いた。
瞬はきっと転移さえしていなければ、加奈子の妹を好きになっていただろう。
『恋愛をしない様にする』って、どんなにしんどいのだろう。
オレには経験がないから分からない。