ボクの震動、キミの鳴動。
そんなこんなで、オレの志望大学はオレの頭の出来など考慮されず、N大に決定し
国語はやはり瞬の兄ちゃんが教えてくれる事になった。
みんなが帰り、千夏も仕事に戻った。
でも、瞬にまだ話していない事があったオレは瞬の病室に残った。
「・・・・・・薬学部行きたいと思ったのは、瞬がきっかけだったけど、ホントのホントは自分の為」
「・・・・・ん??」
言い辛そうなオレを察してか、瞬は相槌だけを返してきた。
「オレ・・・・・事故の後遺症で不能になってさ。 注射とか、バイアグラとか飲めばヤれたりするらしいんだけどさ。 ・・・・・・勉強して、特効薬を探したいと思ったんだよね」
「・・・・・バイアグラじゃダメなん??」
「・・・・・オレはさ、意図的に勃たせる薬じゃなくて『コレを飲んでいれば行為の際に自然に勃起する薬』を見つけたいんだよ。 あと、瞬みたいなヤツが少しでも楽に治療が出来る薬」
「ソレ、発見できたらノーベル章貰えるんじゃね??」
瞬が、オレの壮大な野望に『フッ』と笑った。
「取ってやろうじゃん。 ノーベル賞」
「・・・・・・うん。 オレ、トモならホントに取っちゃうカモって思う。 根拠、全くないケド」
『ゼッタイ デキル』
オレがリハビリに苦戦している時に瞬が言ってくれた言葉。
今も変わらない。
瞬が『出来る』と言うのなら、絶対出来るんだと思う。