ボクの震動、キミの鳴動。
「骨髄損傷による半身不随って、損傷位置によって出来る事出来ない事が変わってくるんです。 関屋さんの場合は車椅子でドコにだって行けるし、セルフカテーテルを使えば自分で排泄だって出来るんです」
広瀬が初めて看護師らしい、まともな事を言った。
そして、全然汚い話ではなかった為、広瀬の話を聞きながらゴハンを口に運ぶ。
病院食は味が薄い。 そしてゴハンが柔らかい。 うまくない。
「だから、関屋さんには頑張ってほしくて・・・・」
今日リハビリに行ったら、車椅子の乗り方教わろう。
車椅子に乗れたら、売店に『ごはんですよ』を買いに行こう。
「・・・・・内緒ですよ」
「何が??」
ごはんですよに気を取られて、うっかり広瀬の話を全然聞いてなかった。
「ウチの病院のゴハンってあんまりおいしくないじゃないですか。 塩分量上がっちゃうんですけど、リハビリするには残さず食べないと体力もたないし・・・・」
広瀬がポケットから小さいビンを取り出した。
見覚えのある、お馴染みのラベルが貼り付けられている、それはまさしく
「ごはんですよ!!」
オレのテンション一気に上がった。
広瀬、空気読めないつまらん女じゃないじゃん。
やれば出来るじゃん!! 広瀬!!