ボクの震動、キミの鳴動。
思わず広瀬の手からごはんですよを奪い取った。
「コドモかッッ!!」
リアクションの良いオレを見て、広瀬が突っ込みを入れつつ嬉しそうに笑った。
「広瀬にしては良くやったな。 コレだけは褒めてやってもいいぞ。 今なー、何よりごはんですよが欲しかった」
遠慮なくビンの蓋を開け、柔らかいゴハンの上にごはんですよを塗りたくる。
そして一口。
うーまー。
まじ、魔法。
「患者さん、みんな『ごはんですよ』欲しがるんですよね。 瞬くんも入院してる時欲しがってたんですけど、彼の場合は怪我じゃなくて病気だったから、食事もより気を遣わないといけなかったからあげられなかったんですよ」
広瀬がしょっぱい記憶を思い出した様で、少し苦い顔を浮かべた。
・・・・・なんか、イラっとした。
たかが『ごはんですよ』
広瀬はオレに特別にくれたワケじゃない事に、なんかちょっとがっかりした。
・・・・・て、オレは幼稚園児か。