ボクの震動、キミの鳴動。
昨日の宣言通り、今日も瞬はやって来た。
「関屋さん、体調どうですか??」
いつも通り広瀬もやってくる。
そして
-----ガラッッ。
ノックもせずに誰かがドアを開けた。
「智樹ー、お見舞い遅くなったー。 シゴト忙しくてさー」
そう言いながら入って来たのは、加奈子だった。
加奈子とは、大学の時にバイト先で出会った。
サバサバ系の加奈子とはカナリ気も合った。
「あれ?? 千夏って放射線科じゃなかったけ??」
なぜか加奈子が広瀬に話しかける。
「異動になったって言ったじゃん。 てか、関屋さんと知り合いだったの??」
なぜか広瀬が加奈子に返事をしている。
「そんな事はどうでもイイから、そこにいるイケメンの説明してよ」
加奈子がオレの見舞いをさておき、瞬に釘付けになった。
・・・・・・どいつもこいつも瞬かよ。
「あ、瞬くん?? カッコイイでしょ?? まだハタチなんだよー」
広瀬が何故か自慢気に瞬を紹介すると、瞬はアイドル並のキラキラスマイルをして『ペコッ』と頭を下げた。
「いいなぁ、若いって。 てゆーか、気になっちゃうから聞いてもいいかな?? その足」
加奈子が瞬の足を指差した。
加奈子は、良くも悪くも遠慮がない。
「オレ、加奈子さんみたいな人、好きだなー。 みんな遠慮して気になってるくせにオレの足の事に触れてこないから。 コレ、足の骨に癌が出来ちゃって切っちゃったんですよ」
瞬は、そんな加奈子が気に入ったようだった。
「そっかー。 大変だったねー。 コレ、あげるよ」
加奈子は、オレの為に買って来たであろうフルーツバスケットからりんごを取り出し、瞬の方に投げた。