ボクの震動、キミの鳴動。
「コレ、トモのお見舞いじゃないの??」
りんごをキャッチした瞬が、加奈子に笑いかけた。
「でも、瞬くんの方がカッコイイから」
加奈子の言葉に、広瀬がオレに見えない様に身体の向きを変えて笑い出した。
広瀬、肩震えてるし。
「オイ広瀬、何笑ってんだよ」
「笑ってませんよ、全然」
オレに反論しながら半笑いの広瀬。
全然笑ってんじゃねーかよ。
そんな広瀬の傍で、瞬は『じゃあ、遠慮なく貰いまーす』と言って、オレが食うハズだったりんごをかばんにしまった。