ボクの震動、キミの鳴動。
何もする気になれない。
今日も寝たフリを決め込む。
ーーーコンコン
誰かがノックした。
当たり前の様に返事をしない。
「失礼しまーす」
勝手に入って来るのは、病院の人間か家族だ。
「本日付けで放射線科から異動してきました、広瀬です。 よろしくお願いしまーす。 さっそくですが、紙パンツ取替えますよー」
元気のいい看護師が、躊躇なくオレのパンツを下ろしては、イチモツを丁寧に拭く。
死にたくなる程の羞恥心。
今のオレは身体を起こす事さえ出来ない。
排泄も入浴も介助なしでは出来ない。
屈辱でしかない。
寝たふりでもしなければやりきれない。
だったらリハビリすればいい。
でも、どうしても受け入れられないんだ。こんな自分。
何もする気になど、なれないんだ。
手際よくオレにパンツを履かせた広瀬が口を開く。
「・・・・関屋さん、リハビリ拒否してるんですよね??」
「・・・・・・」
『用が済んだなら早く出てけよ』と思いながら寝たフリを続ける。
「・・・・リハビリ室に絶世の美女がいるのに行かないとか、超もったいなくないですか??」