ボクの震動、キミの鳴動。
………くそうぜぇ。
オレは、くそつまらない事をさも『面白いでしょう』と言わんばかりに話をする人間が、昔から大嫌いだ。
「リハビリしたら、オレの足は動くようになんのかよ」
寝たふりを続けてればいいものを、イライラのあまり口を開いてしまった。
「関屋さんって、シゴト何してるんでしたっけ??」
そしてオレの質問をシカトしやがるし。
コイツ・・・・まじでうぜぇ。
「SEだけど、それが??」
「じゃあ、足はそんなに重要じゃないじゃないですか」
何言ってんだ、コイツ。
SEに足が必要ないとでも言いたいのか??
足が必要ないって思ってる人間が、この世の中のドコにいるっていうんだよ。
「・・・・・ふざけんな」
枕を抜き取って広瀬に投げた。
リハビリをしていない、起き上がれもしない上半身で投げた枕は、力なく、しかも広瀬とは違う方向に飛んでいった。
「・・・・・・ふざけてませんよ。 歩けなくても問題ないおシゴトで良かったと思いました」
そう言いながら、広瀬は枕を拾い上げオレの頭を持ち上げると、それを差し込んだ。
枕もまともに投げれない。
情けなくて、恥ずかしかった。