ボクの震動、キミの鳴動。
「とりあえず、智樹。 千夏の事頼んだわよ。 千夏はまじでワタシの大事な親友だからさ」
加奈子はきっとコレを言いに来たんだ。
オレのお見舞いではなくて。 ・・・・・まぁ、イイケド。
「大丈夫ですよ。 トモが万が一、千夏ちゃんを泣かす様な事したら叩きつけますから」
瞬がゴリゴリの二の腕を見せながら加奈子に言った。
『叩きつける』て・・・・。 まぁ、瞬に拳でぶん殴られたら、バイキンマンがアンパンチくらった如く、他の惑星まで吹っ飛ばされそうだもんな。
・・・・・てゆーか、広瀬も優しい人間に囲まれて、なんて恵まれた人生を送っているのだろう。
そんな広瀬に、瞬と加奈子がくる前に『シゴトがんばれ』とキスしてやったら、顔真っ赤にさせて喜んでた。
きっと今頃、張り切ってシゴトをしているのだろう。
25歳になってもいるんだな。 キス1つであそこまでテンション上がるヤツ。
シゴト終わったら病室に寄るって言ってたから、またキスしてやろうかな。
あんなに舞い上がられると、キスのし甲斐もあるというものだ。
「智樹、何ニヤニヤしてんの?? 壮絶に気持ち悪いんだけど」
加奈子が頬を引きつらせながらオレを見た。
「千夏ちゃんの事でも考えてたんじゃないのー??」
瞬が『ヒヒヒ』と笑った。
その通りです。 などと言えるワケないから言わないが。
と言うか、広瀬を好きで広瀬の事を考えていたワケではなく
『広瀬をからかうのが面白いから』
などと言ったら、早速瞬に叩きつけられてしまうから、絶対に言わない。