幸せの在処



ただ笑われただけ。


でも、そんな些細な事でも傷ついてしまう私は、すごく弱い人間だ。


走って、走って、


赤信号なのに、横断歩道を渡ろうとした瞬間、


ーーグイッ


「!!!!」


後ろから勢いよく腕を引かれた。


そして、雨と共に怒鳴り声も降ってきた。


「危ないだろっ!!お前、何考えてるんだよ!!!」


えっ…。


この声は。


恐る恐る、後ろを振り返った。


そこには、


「相…川…くん?」


さっきまでの笑顔は消え、すごく怒っていた。




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