幸せの在処
ーー次の日
今日も朝から雨。
いつもと同じ時間に起きて、いつもと同じ時間に家を出た。
赤いチェックの傘を開きながら、ふと思った。
折り畳み傘を持って行こうかな…。
えっ、でも…なぜ?
そう疑問に思った時には、既に玄関の前まで来ていた。
こういう時、体は不思議だ。
なぜか勝手に動いて、行動していくんだから。
私は、まだ迷いながらも部屋から折り畳み傘を持ち外に出た。
きっとこの傘を渡す相手は…。
自分でもわかっている。
でも、ただそれを認めたくない自分がいた。