幸せの在処



あたしは立ち止まった。


この人、何やってるんだろ?


こんな雨の日に、傘もささずに。


ただ一瞬、疑問を持っただけ。


でも、それだけじゃなかったのかもしれない。


誰も通らない道路に、赤いチェックの傘の色と、どんよりと曇った灰色。


変な組み合わせだった。


そして、目の前にいる人も変だった。


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