幸せの在処



その日の帰り。


石段には、また誰もいなかった。


そして、次の日も。


そのまた、次の日も。


一週間が経った。


合コンの日から、のぶとは一度も会っていなかった。


別に、会うという約束もしていないし。


会いたいとも思っていない。


でも、いつも折り畳み傘は持ち歩いていた。


そんな自分が可笑しくて。


1人で笑ってしまう。


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