幸せの在処
私は、のぶの返事を聞く前に歩き出した。
「あ、おいっ!」
「な、なに?」
のぶが引き止める理由はわかってる。
ただ、のぶの返事を聞くのが怖かった。
「お前の家、行っていいのか?」
その言葉を聞いて、ホッとしている私がいた。
そして、少しドキドキして嬉しく思っている自分もいた。
のぶの力になれるんじゃないかと思った。
「だから、いいって言ってるじゃん。」
でも私の口から出る言葉は、やっぱり可愛げがなかった。