幸せの在処
第二章
願い
目を覚ますと、窓から朝日が差していた。
重たい身体をゆっくりと起こす。
そして、のぶが居ないのに気づく。
帰った…のかな。
昨日の涙と寝言を思い出しながら、また胸が苦しくなった。
膝の上に乗ってきた子猫の頭を撫でて、深呼吸をする。
昨日の事は、忘れよう。
誰にでも、過去はあるよ…。
誰にでも、悲しみはあるよ…。
私にだって、あるんだから。
のぶにも平等に…。