幸せの在処


ーー伸彦side



俺は雨に打たれなきゃいけない。



雨に濡れないといけない。



なぜなら、



雨はあいつの涙だ。


冷たく突き刺さる。


身体の体温を奪っていく。


俺は誰からも優しくされてはいけない。


誰かに救われてはいけない。


そう思っていた。


それなのに…あの日



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