幸せの在処

嬉しい涙



雨ばかりの毎日もそろそろ終わりを告げる。


梅雨明けだ。


あの日から、のぶは数回あたしの家を訪れた。


タマの顔を見にきただの、雨宿りさせてくれだの、理由はその時によって違った。


雨が降る日はのぶが来るんじゃないかと早めに家に帰ったりしていた。


冷蔵庫の中に食材を切らさないようにもした。


いつでも一緒にご飯が食べられるように。


玄関にタオルを置くようにもなっていた。


まさか、自分がこんなにも誰かの事を気にしながら行動するなんて。


< 95 / 106 >

この作品をシェア

pagetop