だってボクらは、生きている。~ギャング・エイジ~(脚本)
1. プロローグ
蝉の声。
オサムN「青い匂いの草いきれ。
山に囲まれた空に昇る真夏の太陽。
正午を知らせるエーデルワイスに合わせて吠える犬。
絶え間なく響く蝉時雨。
川のせせらぎを包み隠す僕らの笑い声。
乱反射する水面に映る君の姿」
オサムN「コドモではいられない。でもオトナにはなれない。そんな僕らの悪あがき」
オサムN「僕が十二歳になった夏の日。
ハトばぁが死んだ。
山あいの集落から少し離れた高台に住んでいたハトばぁはコドモが大好きだった。
今思うと恐ろしいほどの田舎に住んでいた僕らは、畑仕事中のハトばぁを見つけるとその家まで押しかけてお菓子をもらい昔話を聞いた。
説教話や怪談もあったけどそれは僕らには数少ない娯楽だった。
僕らはそのお返しにハトばぁの家にある鳩小屋の掃除や餌やりを手伝った。
そのハトばぁの葬儀は酷く簡素なものだった。
喪主である一人息子だけが身内で参列していた。
遺影に使われた写真は、ハトばぁが大事に飾っていた孫と一緒に映っていた写真の笑顔だった」
オサムN「青い匂いの草いきれ。
山に囲まれた空に昇る真夏の太陽。
正午を知らせるエーデルワイスに合わせて吠える犬。
絶え間なく響く蝉時雨。
川のせせらぎを包み隠す僕らの笑い声。
乱反射する水面に映る君の姿」
オサムN「コドモではいられない。でもオトナにはなれない。そんな僕らの悪あがき」
オサムN「僕が十二歳になった夏の日。
ハトばぁが死んだ。
山あいの集落から少し離れた高台に住んでいたハトばぁはコドモが大好きだった。
今思うと恐ろしいほどの田舎に住んでいた僕らは、畑仕事中のハトばぁを見つけるとその家まで押しかけてお菓子をもらい昔話を聞いた。
説教話や怪談もあったけどそれは僕らには数少ない娯楽だった。
僕らはそのお返しにハトばぁの家にある鳩小屋の掃除や餌やりを手伝った。
そのハトばぁの葬儀は酷く簡素なものだった。
喪主である一人息子だけが身内で参列していた。
遺影に使われた写真は、ハトばぁが大事に飾っていた孫と一緒に映っていた写真の笑顔だった」