だってボクらは、生きている。~ギャング・エイジ~(脚本)
マアサN「八年前。





東京から帰省していたハトばぁの孫のモモカちゃんが、父親と川へ遊びに行った。





周りに地元のコドモ達もいる中、浮き輪で泳いでいるモモカちゃんから父親が一瞬、目を離した時、モモカちゃんは浮き輪から抜け出てしまった。





父親が気付いた時にはもう遅く、川底に沈んでいるモモカちゃんを救い出して人工呼吸をしたが間に合わず、モモカちゃんは亡くなってしまった。





父親にとってそのほんの一瞬が、一生の後悔になったんだ、とハトばぁは私達に話してくれた」





マアサ「もう帰らない? ここ、何か寒いよ」






  歩き出すマアサ。






マアヤ「あ、マアサ待って」





オサム「おいコウタ、行くぞ」





オサム「コウタ?」





コウタ「―――何かいる」





マアサN「見てはいけない。





そう思いながらも私達は欄干から見下ろしてしまった。




川面に白い何かが揺れている」





オサム「何だあれ?」






  風が吹き上げる。






モモカ「―――みーつけた」





マアサN「その声を、確かに聞いた」





オサム「マアサ!」





マアサN「頭に響くオサムの声を最後に、私は意識を失った」







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