だってボクらは、生きている。~ギャング・エイジ~(脚本)
マアサ「………ばぁば?」





オサムN「やっと聞き取れるくらいの声でマアサは目を覚ました」





コウタ「………マアサ、かい?」





オサムN「マアサは僕達をゆっくり見渡すと手を握っているコウタをじっと見た」





マアサ「………ばぁばなの?」





コウタ「ばぁだよ。大丈夫かい? マアサ」





オサムN「マアサはその握られている手を振り払った」





マアサ「ばぁばは、私を連れ戻しに来たの?」





オサムN「そう言いながらマアサはベッドから立ち上がる」





マアサ「私はこの子になって生きていくの。だから、邪魔しないで!」





オサムN「マアサはそう叫んで裸足のまま病室の外へ走っていった」





コウタ「オサム! あの子を捕まえて!」





オサム「え? どうしたんだよ? ハトばぁ」





コウタ「あの子だよ! マアサの中にモモカがいたんだよ!」





オサム「どういうことだよ?」





コウタ「もうとにかく! 追いかけるんだよ! もしかしたらあの子はマアサを殺しちゃうかもしれないんだ!」





オサムN「僕はハトばぁのその言葉で反射的に病室を飛び出した」





コウタ「オサム! 明るいうちならまだ間に合うはずだよ! 夕暮れまでには見付けるんだよ!」





オサムN「背中にハトばぁの言葉を聞きながら、僕は遠くなるマアサの背中を追いかけた」







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