恋色 -こいいろ-
私は、五十嵐くんの気持ちに答えるようにぎゅっと
手をにぎった。



五十嵐くんの手、大きい。



私は、五十嵐くんに引っ張られて
体育館をでた。



     ♥



帰り道、
私と五十嵐くんは、私の家に向かって歩く。
緊張して沈黙がつづく。


なに話していいかわかんないよ。


この沈黙をやぶったのは、五十嵐くんだった。
「ねぇー、俺今度から遥ってよぶね。
 彼氏と彼女なんだしいいだろ?」
「うん。
 じゃあ私も辰也くんってよぶね。」
「くんなんかつけなくていいよ。
 辰也で。今度、辰也くんってよんだらデコピンな。」
「うん、わかったよ。
 辰也くん。あっ・・・。」
「遥、デコピンー。」
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