赤い薔薇の下で【六花の翼コラボ】
けれど。
「どうです?」
まりあがオーリィと結ばれる――それを想像した瞬間、
『そんなの俺には関係ない』
……出かかった言葉は、口の中で溶けて消えて。
瑛は、
「…………」
訳もなく胸の中に広がる苛立ちを隠す事なくオーリィを一睨みすると
掴まれた腕を振り払って外へ――秘密の庭の方へ歩き出した。
「はぅっ…せ、先輩!?」
「え…ま、待ってください!!」
「先輩!!」
近寄り難い怒りのオーラを纏う瑛を、慌てておいかける神無、まりあ、龍真。
そんな4人の――特に、殺気立っている瑛の背中を――見て、微かに微笑んだオーリィは。
『あー…怖かった……
ってか先輩、ちょっと挑発だけでムキになるくらいやし、もう少し冷静になれば自分の気持ちに気付けるやろうに!
どんだけ鈍感なんや!
さっさと気付け!アホ!』
心の中で毒づきながら、先を行く友人達の背中を追ったのだった。