赤い薔薇の下で【六花の翼コラボ】
「あれ…姉ちゃん?」
「太一!?」
ガサ…と庭の茂みが揺れたと思ったら、その隙間からまりあの弟――太一がひょっこりと姿を現した。
驚いて顔を上げたまりあは、ニコニコしながらこちらへ歩いて来る太一へと近付く。
「姉ちゃんとこんな所で会うなんて珍しいよな。何かあった?」
「あぁうん、ちょっとね。調べる事があって」
「へー…」
「っていうか太一、あんたこそどうしてここにいるのよ?」
「俺?俺は…これ」
そう言うと太一は、自分のズボンのポケットから一通の手紙を取り出した。
薄ピンク色のそれは、明らかに女子が用意した物で――…
「まさか、告白の呼び出しぃ!?」
「うん、正解」
そう答えて照れ臭そうに笑う太一に、まりあは信じられないといった目を向けた。